2022(令和4)年度事業報告

Ⅰ 造水技術に関する研究開発事業
Ⅱ 造水に関する調査研究事業
Ⅲ 造水に関する普及啓発事業
Ⅳ 造水に関する研修
Ⅴ その他事業
Ⅵ 会務及び技術普及・広報事業

 
* (公財)JKAからの補助事業(競輪補助事業)
19年度(PDF 12KB)
20年度(PDF 12KB)
21年度(PDF 12KB)22年度(PDF 12KB)
24年度(PDF 12KB)25年度(PDF 184KB)
26年度(PDF 172KB)27年度(PDF 248KB)
28年度(PDF 168KB)29年度(PDF 220KB)
30年度(PDF 204KB)2019年度(PDF 128KB)
2020年度(PDF 171KB)2021年度(PDF 200KB)
2022年度(PDF 200KB) 

< 概 要 >

令和4年度は、今後の調査事業への展開を目指した新規受託事業に注力した。研究開発事業0 件、調査研究事業7件、普及啓発事業3件、研修事業1件、その他の事業9件の計20事業を実施した。これらのうち、受託事業は15件、自主事業は4件、JKA補助事業は1件である。

 

Ⅰ 造水技術に関する研究開発事業

 

 

研究開発事業に分類される事業は、いくつか計画をしていたが、公募等で採択されず事業を実施することはできなかった。

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Ⅱ 造水に関する調査研究事業

.イラク南部地域の石油精製施設等における地層水処理技術導入に関する共同事業
 

本事業は、塩分を含む地層水の処理技術をイラクに導入することを目的としている。現在までに、検討を踏まえて選定した処理プロセスからなる実証試験装置をイラク側が調達し(装置は水ingエンジニアリング㈱が製作)、イラク技術者のトレーニング(実証試験装置の操作、運転方法、設置方法等)を日本国内で実施した。実証試験装置の仕様に関して疑義(原産国表示との整合性、最高周囲温度(55℃)への適合性)が発生し、受け入れ承諾を得ることに時間を要したが、ようやく昨年度受入れ承諾が得られた。

保管していた実証試験装置の整備を行い輸出に向けた準備を行い、イラク側の輸出承認書類も発行され、輸出のスケジュール調整を行った。

令和4年度は、上記に基づき、実証試験装置が、8月9日横浜港からイラクに向けて輸送され、9月17日にイラクのウムカッスル港に到着した。実証試験装置を引き取る通関手続き等が現在行われている。通関手続きは当初4カ月を見込んでいたが、薬品保管庫の規制が厳しくなり新たに建設する必要があることなどから通関手続きは8カ月を要することとなった(令和5年5月に終了予定)。

実証試験に係る打合せのためのイラク側とのテクニカルミーティングを11月29日~12月1日にアンマンで、2月16日にWebで実施した。

本事業は、(一財)JCCP国際石油・ガス・持続可能エネルギー協力機関(JCCP)から本財団と水ingエンジニアリング(株)との共同受託事業として実施したものである。


2.再生水製造の省エネ性・信頼性に関する国際標準化
 

本事業は、ISO/TC282「水再利用」(TC:専門委員会)の分野で、日本が強みとする再生水製造システムやそれを構成する水処理技術の性能評価方法等を国際規格として開発することにより、技術・製品の差別化を容易とし、水インフラ輸出の優位な展開に貢献するものである。水インフラの新たな市場を形成するとともに、システムやその構成製品である製造装置等の拡販に繋がり、それに伴う省エネ効果の拡大や地球温暖化対策に資するものと期待される。

平成26年度から開始された事業の中で、日本の提案による性能評価規格である「再生水処理技術ガイドライン」のPart 1~Part 8のシリーズ規格の開発を進めてきた。その結果、Part 1(一般概念)、及びPart 2(システムの環境性能評価)を、IS(国際規格)として発行した。また、システムを構成するオゾン処理、紫外線消毒、膜ろ過、イオン交換の4技術の性能評価規格について、Part 3~Part 6として関係企業や各協会と協力してドラフトの作成を進め、令和3年度までにISとして発行した。さらに、Part 8(経済性評価)として、処理技術の経済性をライフサイクルコスト(LCC)で評価する規格についても開発を進めてきた。なお、Part 7は韓国提案による促進酸化処理(AOP)の技術に関する規格である。

令和4年度は、Part 8(経済性評価)のIS 発行を完了するとともに、Part 10(信頼性評価)として、システムが故障なく長期間処理目標を満足する性能を評価する規格についてドラフトの作成を進めた。Part 10を新規作業項目として提案した結果、各国による投票で採択された。規格開発にあたっては、性能評価指標や評価方法の妥当性の裏付けとするため、ウォータープラザ北九州を活用し、再生水の水質リスク低減や省エネ効果、性能の安定性に関する実証データを引続き取得した。なお、国土交通省が国内審議団体を行うISO/TC282の専門委員会とも連携した活動を行った。

本事業は、(株)野村総合研究所からの委託事業として、京都大学と共同で実施したものである。


3.省エネを実現する水処理再生膜のグレード分類に関する国際標準化
 

本事業は、使用済みの水処理膜を再生した再利用膜を性能によってグレード付けをする国際規格を開発するものである。これにより、性能に優劣のある再利用膜に適正な評価を与え、再利用膜の新たな市場創出に資するとともに、品質の良い日本製膜の差別化を図ることを目的としている。

省エネ効果に関しては、新膜の製造に比べて使用済み膜の再生工程に関わるCO2排出量は非常に少なく、また、膜の再利用促進は、膜の廃棄を減らし、廃棄工程に関わるCO2排出量も削減されるなど大きな効果がある。それは、水処理業界としての環境保全やSDGsのアピールにもなる。

令和4年度は、前年度に引き続き再利用膜の性能確認試験をウォータープラザ北九州などの設備で実施し、ISOでの本規格案はWorking Draftが承認され次のStepである委員会原案(Committee Draft)の承認を目指している。

本事業は、(株)野村総合研究所からの委託事業として実施したものである。 


4.水再利用の国際標準化に係わる支援業務

 

本事業は、TC282(水の再利用)SC3(リスクと性能評価)の事務局活動を支援し、国際標準化や国際会議への対処方針案等とともに、標準規格の普及に向けた活用方策を検討することで、水分野における本邦優位技術の国際展開を促進する。具体的には、国内関連団体が主体に進める規格開発や、他国提案による開発規格に関する情報を国内の関係者に共有して意見を求めることにより、規格内容の改善、規格間の不整合をなくす調整について提案する。

令和4年度は、特に規格の活用を促進するための方策の1つとして、8月の下水道展の併催行事として国交省主催のセミナーを共催した。

本事業は、国土交通省からの委託事業として実施したものである。 


5.水の効率運用評価指標の普及促進に向けた調査

 

本事業は、水使用に関する世界的な動向を踏まえ、工場等における水使用に関して適正な評価がなされるよう、水使用合理化の効果を評価する新たな手法の確立と普及促進を目指すものである。

本事業では、世界に通用する指標とすべくウォーターフットプリント(WF)の考え方を応用し、かつ工場(対象)での水使用にフォーカスした、造水促進センターが提唱する『工場(対象)を製品と見立てたWF的検討手法』の考え方に基づき様々なケースでの適用事例検討を積み重ね、その結果をもって指標としての提案を行うものである。

本事業に先立ち実施した、電子部品製造工場、自動車部品製造工場及び石炭火力発電所等に対する検討では、水の合理化対策や操業の効率化あるいは回収処理システムの違いによる環境影響低減効果を適確に捉え、数値として見える化して示すことができ、本新指標が対象とする工場等の水使用に係る適切な評価に大いに有効であることを示すことができた。

令和4年度は、当該新指標の普及促進をより一層図るため、従来の指標による評価との違いや今までの事例検討結果を分かりやすくとりまとめた事例集やパンフレットを作成し、随時工業団体(化学、電機、機械等の工業会)等の関係各所への配布・説明を行った。また、ユーザーからの意見、要望、課題等を今後の改善につなげるため、本財団会員企業及び工業団体等(全78企業・団体)へ配布するとともにアンケート調査を実施した。

本事業は、本財団の自主事業として実施したものである。


6.海外工業生産における水利用の国際規格開発

 

本事業は、平成28年度から開始し、海外での工業生産活動に関係するTC224/WG12「水効率管理」やTC8/SC13/WG3「海水淡水化」について国際規格の開発動向を把握し、改善や活用に関する提案をするものである。特に、開発される規格が、日本企業の生産活動に不利益を生じることなく、また、優れた水利用技術が適正に評価されるよう、規格内容の改善や活用提案を行う。

「水効率管理」は、シンガポールが、国内で2013年(平成25年)から施行しているSS577規格をベースに、認証付きの国際規格をめざして提案したもので、各事業所による節水を目的に、継続的に目標設定、計画、実行、見直しを義務付けるものである。その手段となる水再利用については、TC282「水再利用」の規格を参考にできる旨の追加を日本から提案した。本規格は、令和元年7月に認証規格としてIS(国際規格)発行され、主にシンガポール国内で活用・運用が始まっている。また「海水淡水化」は、中国の提案により開発が進められた「生産水の水質」に関するガイドラインが令和3年10月にIS発行された。これは、当初から国内関係者と共同して日本からコメントを提案し、不都合を排除した規格としたものである。

令和4年度は、引続き「水効率管理」の認証規格の活用・運用動向を把握するとともに、国内の関連団体と情報共有し、関連する水再利用に関する規格や技術の活用につなげるための調査を進めた。また「海水淡水化」は、さらに中国から「用語定義」に関する規格案が提案されたため、関係者と共同し内容を改善するためのコメント提出を検討した。

本事業は、本財団の自主事業として実施したものである。 

 

7.超省エネ型下水処理法のための実用規模FO膜モジュールの開発

 

本事業は、長らく下水処理技術の主力となってきた標準活性汚泥法(好気性生物処理、処理に多くのエネルギーを要する)に比べ、消費エネルギーや余剰汚泥の発生がはるかに少なく、メタンガス等のエネルギー回収も可能という長所を有する嫌気性排水処理法(メタン発酵法)の下水処理への適用を図ることを目的とする。

本財団を代表とした共同研究体では、令和元年度・2年度の国交省下水道応用研究の採択を得て、FO膜を用いたシステムの開発研究を行い、安定運転可能な処理システムの構築を念頭に多くの基礎的知見を得ている。しかし、現時点では本技術の核であるFO膜モジュールが実験室レベルのものであり、実施設化には実用的膜モジュール製作の見通しを立てる必要がある。そのため、令和3年度から2か年予定の研究で、膜モジュールを完成させること及び関連技術の充実を目指している。

令和3年度は膜エレメントの開発を行い、エレメントの構造及びFO膜シートの接着方法を確立した。

令和4年度は、実装置の膜モジュール枠の設計を終え、膜モジュールにおけるFO膜性能の確認として、DS(駆動液)に人工海水を用い、清水及び下水をFS(供給液)として処理した場合の膜性能評価試験を行った。その結果、市販の膜モジュールに比して大幅に高性能である実規模FO膜モジュール構造を完成し、製作図を作成した。これにより、FO膜が供給される体制が整えば膜製造は可能となった。

本事業は、北九州市環境未来技術開発助成事業の採択を受け、㈲九州技研を研究代表者として、本財団、北九州市立大学、水ing㈱との共同研究事業として実施したものである。

 

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Ⅲ 造水に関する普及啓発事業

.国内外への造水関連技術の普及促進活動
 

近年、世界的に水不足、水質の悪化などの水に関する問題が発生している。

そこでこれらの課題に対して、これまでに本財団が蓄積してきた各種の造水技術に関する情報発信を行い、国内外に普及・促進するとともに、日本の企業の海外への水ビジネス展開に寄与することを目的としている。

令和4年度は、下記の事業を実施した。

(1)英語版及び日本語版造水技術データベースの修正、追加を実施して、情報発信を行った。

(2)国内外の水関連国際会議、展示会、シンポジウム等に積極的に参加して造水技術に関する普及促進を行った。

(3)日本の造水技術を紹介するため、国内外に職員等を派遣し、水に関する情報収集を行い、造水技術の普及促進を図った。

本事業は、本財団の自主事業として実施したものである。

2.「低炭素型水処理技術」の普及促進に関するセミナー

 

本事業は、現在注目を集めているCO2削減を目指す社会のニーズの一環に応えて、下排水の水処理技術もより進んだ省エネルギー型が求められている社会的ニーズに対応するために、大学教授他学識経験者、企業担当者による実用例の講演による炭素発生のより少ない「低炭素型・水処理技術」に関するセミナーを開催した。

セミナーは、東京で令和5年2月28日に会場での講演とWeb同時配信で開催し、聴講希望者227名で約180名の参加者があり成功裏に終了した。

本事業は、(公財)JKAの補助事業として実施したものである。

◇主 催:一般財団法人造水促進センター

◇日 時:令和5年2月28日(火)13:00~16:30

◇場 所:「主婦会館プラザエフ」地下2階「クラルテ」及びWebでの同時配信

◇講 演

 「低炭素型水処理技術によるSDGsへの貢献」

    京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻環境システム工学講座教授    藤原  拓

 「下水道革新的技術を活用した下水処理システムの省エネ化」

    メタウォーター株式会社事業戦略本部事業企画部技師長           宮田  篤

 「カーボンニュートラルの時代に向けた中空糸膜利用技術」

    三菱ケミカル株式会社アドバンスドソリューションズビジネスグループ

    アメニティライフ本部分離材事業部技術グループマネジャー        久保 恵美

 「嫌気性MBRとアナモックスによる省エネ廃水処理の実例」

    栗田工業株式会社イノベーション本部IC部門IC開発グループ開発チーム    小松 和也

  「RO濃縮システムによる工場排水のZLD事例」

    日東電工株式会社ヒューマンライフソリューション事業部門メンブレン事業部営業部

    営業技術課主任技師                          石原  悟

 「膜分離と蒸留を利用した産業廃水からのアンモニア回収方法」

        木村化工機株式会社開発部プロセス開発チーム課長            山川 洋亮 

3.ウォータープラザ北九州施設の活用に向けた運用管理・広報活動業務

 

本事業は、北九州市が所有する「ウォータープラザ北九州」の施設の運用管理を行うとともに、下水の膜分離活性汚泥装置(MBR)の省エネ化を目指した自主研究、ならびに国際標準化事業等の実証研究を実施した。また、「ウォータープラザ北九州」には新しい水処理技術・システムを開発するための「MBRデモプラント」と海水や下水を用いた実験が可能な「テストベッド」があり、これらの活用を会員企業や各種団体に対してPRを行った。

本事業は、北九州市からの委託事業として実施したものである。

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Ⅳ 造水に関する研修

本事業は、海外から研修生を受け入れ、日本の廃水再生利用技術、淡水化技術及び水使用の合理化等造水技術についての講義、工場視察等を実施し、日本の技術を移転するものである。

1.造水技術に関する海外技術者研修
 

本研修事業は、今までの経験を基に、主に日本の排水処理・再利用の技術紹介を中心とし実施するものである。

令和4年度は、世界的な新型コロナウイルスの収束が予想できない状況下、海外から研修生を招聘することは困難と考えられるため、令和3年度と同様Webによる研修(ウェビナー)を開催する。

研修内容は、主に造水促進センターの概要紹介、排水処理・再利用、海水淡水化及び日本の文化の紹介の4項目を中心として実施する。

対象国は、 近年、工業発展がめざましく、同時に各種環境問題を抱えていると思われる、アジア、中東、東欧諸国等を対象とした。また、これまでの研修参加者及びJICA研修(工業用水使用合理化等)参加者を通してその国の水関連組織、企業等に参加を呼び掛けた。

(1)ウェブセミナーの公開は12月4日から2週間実施し、無事終了した。

(2)日本の排水処理・再利用及び海水淡水化等の最新造水技術の講義を行った。

   応募があった国は9か国、聴講者は20名で、新規受講者は14名であった。

(3)アンケートを実施し、聴講者の要望を把握する。

   アンケートには、合計8名の方から回答があった。講義の内容については「良」、講義時間については「適当」、英語のナレーションは「適当」講義の必要性は「必要」が多数を占めた。

本事業は、本財団の自主事業として実施ししたものである。

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Ⅴ その他事業

1.研究開発コンサルタント事業
 

本事業は、研究開発についてコンサルティングを実施するものである。

企業が開発中のテーマについて、研究の進め方、調査の仕方、データの取得などについてアドバイスを月1回行った。

本事業は、会員企業からの委託事業として実施したものである。


2.プラント設計支援業務

 

本事業は、海外に建設する化学プラントに付随する海水淡水化プラントの設計業務を支援するものである。

令和4年度は、関連する海淡後処理設備ならびに下水処理設備についての設計支援を行った。

本事業は、会員外企業からの委託事業として実施したものである。


3.セラミック膜パイロット試験機製作に関する設計支援業務

 

本事業は、国内においてパイロット試験使用しているセラミック膜による含油排水の処理を行う試験機を参考に、海外の油田地域における実排水処理の実証試験に向けた試験機の設計、並びに海外の製作会社での製作準備に向けた支援を行った。

本事業は、会員企業からの委託事業として実施したものである。


4.排水処理設備汚泥馴養コンサルタント業務

 

本事業は、エンジニアリング会社が国内で建設中の発電プラントに付随する、担体添加型排水処理設備の汚泥馴養に関するコンサル業務である。令和3年度は、実排水が送り込まれる前に汚泥が十分に馴養され、所定の処理性能が発揮できるように適宜アドバイスを行ってきた。

令和4年度もコンサルタント業務を継続し、実排水での生物活性を発揮するためのコンサルタント業務を実施し、1月末で完了した。

本事業は、会員外企業からの委託事業として実施したものである。


5.チュニジア国南部海水淡水化・再エネ開発調査

 

本事業は、経産省の「質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業」として、チュニジア国において再生可能エネルギーである太陽光発電を用いた海水淡水化プラントの開発事業調査を行うものである。本財団はこの事業の海水淡水化プラントの設計仕様等の支援業務を担当した。

本事業は、会員外企業からの委託事業として実施したものである。

6.イラク国サマーワ上水道整備事業準備調査

 

本事業は、ムサンナ県サマーワ市におけるユーフラテス川本流の塩分濃度の少し高い水を原水とする上水道整備に関するJICA準備調査として、行われるものであり、本財団はコンサルタント企業の要請を受けて、汽水淡水化施設に関する設計等の支援業務を行い2月に完了した。

本事業は、会員外企業からの委託事業として実施したものである。

7.中東水処理設備診断及びアップグレード支援業務

 

本事業は、中東の油田の既設水処理設備の状況を診断し、必要に応じて設備の改修・更新するとともにアップグレード要求に対応した設備追加についての調査業務を支援するものである。この水処理設備は運転開始後、相応の年数が経っており所定の排水を処理できていない状況にある。一方、発生する排水は年々増加し、さらなる追加設備が必要となっているだけでなく、最近になり処理排水の要求水質が厳しい方向に進んでおり、新たな処理技術の検討も求められている。これらの課題について包括的に調査し、適切な提案をする業務の支援を行った。

本事業は、会員企業からの委託事業として実施したものである。

8.モンゴル国環境改善に向けた技術指導支援業務

 

本事業は経済産業省からAOTS(海外産業人材育成協会)に委託された事業「令和4年度技術協力活用型・新興国市場開拓事業(インフラ海外展開支援) 研修等プログラム」で、専門家の派遣による技術研修を行うものとして、2022年度に採択され、実施した。

実施内容としては、ウランバートル市において研修会を実施する事により、水環境改善に向けた技術浸透を図る事を目的として活動した。さらに、日本大使館やモンゴル自然環境・観光省、ウランバートル市政府との連携のもと、環境改善に向け連携した活動を行うため、協力関係強化を推進した。

本財団はウランバートル市と2021年技術支援協力に向けたMOUを締結しており、確固たる連携体制による技術支援を進めてゆく予定である。

 9.地下水使用合理化計画審査・指導業務
 

本事業は、石川県の「ふるさと石川の環境を守り育てる条例」に基づき、年間の地下水採取量が40万m3を超えた事業者(現在27事業者)に提出が義務づけられた「地下水使用合理化計画」について地下水使用の適正化に係る審査並びに水使用状況の実態調査と合理化技術指導を目的とする。

条例に基づき提出された27事業所の地下水使用合理化計画についての書類審査の検討を実施するとともに、実態調査・指導対象の事業所についてのアンケート調査や質疑応答内容のとりまとめ及び指導案作成を行った。

本事業は、石川県からの委託事業として実施したものである。 

 

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Ⅵ 会務及び技術普及・広報事業

1.会 務
(1)会 員
 

令和5年3月末現在の会員数は、地方自治体28、工業用水使用業界等8、造水関連企業等41で計77となっている。

  
(2) 評議員会:定款第23条の規定に基づき次のとおり評議員会を開催し、議案について審議を行い、原案どおり異議なく承認された。
◇第26評議員会
 

日 時 令和4年6月30日(木)15:00~16:00

場 所 一般財団法人造水促進センター「会議室」

議 案

第1号議案 2021(令和3)年度事業報告について

第2号議案 2021(令和3)年度収支決算について

 

報告事項

1.令和3年度公益目的支出計画実施報告について

2.2022年度自転車等機械工業振興資金による事業の実施について

3.2022(令和4)年度事業経過報告について

4.本財団への入会について

 

◇第27評議員会(臨時)
 

日 時 令和5年3月28日(火)15:00~16:00

場 所 一般財団法人造水促進センター「会議室」 

議 案

第1号議案 理事の選任について

第2号議案 2023(令和5)年度事業計画及び収支予算について

報告事項

1.2022(令和4)年度事業経過報告及び収支状況について

2.本財団への入会について

 


(3)理事会:定款第40条の規定に基づき次のとおり理事会を開催し、会務に関する議案について審議を行い、原案どおり異議なく承認された。
◇第39回理事会
 

日 時 令和4年6月10日(金)15:00~16:00

場 所 一般財団法人造水促進センター「会議室」 

議 案

第1号議案 2021(令和3)年度事業報告について

第2号議案 2021(令和3)年度収支決算について

第3号議案 令和3年度公益目的支出計画実施報告について

第4号議案 2022年度自転車等機械工業振興資金による事業の実施について

第5号議案 定時評議員会の開催について

第6号議案 本財団への入会について

報告事項

:2022(令和4)年度事業経過報告について

◇第40回理事会(臨時)
 

日 時 令和4年10月28日(金)14:00~15:00

場 所 一般財団法人造水促進センター「会議室」

 

議 案第1号議案 本財団への入会について
報告事項:2022(令和4)年度事業経過報告及び収支状況について
◇第41回理事会
 

日 時 令和5年3月10日(金)14:00~15:00

場 所 一般財団法人造水促進センター「会議室」

 

議 案

第1号議案 2023(令和5年)度事業計画及び収支予算について

第2号議案 臨時評議員会の開催について

第3号議案 本財団への入会について 

報告事項

:2022(令和4)年度事業経過報告及び収支状況について


(4)事業評価委員会:事業評価委員会規程に基づき次のとおり開催し、議題の審議を行い、異議なく承認された。
◇第24回事業評価委員会
 

日 時 令和4年5月23日(月)15:00~16:00

場 所 一般財団法人造水促進センター「会議室」

 

議 題

1.2021(令和3)年度公益目的自主事業報告等について

2.2022(令和4)年度公益目的自主事業の進捗状況等について

3.その他

 

◇第25回事業評価委員会
 

日 時 令和5年2月20日(月)10:00~11:00

場 所 一般財団法人造水促進センター「会議室」 

議 題

1.2022(令和4)年度事業進捗状況について

2.2023(令和5)年度公益目的自主事業について

3.その他

 


(5)会員会:会員会規程に基づき次のとおり開催し、情報交換及び情報の提供を行った。
 

◇第12回会員会(臨時)

 

日 時:令和4年7月25日(月)14:00~15:30

場 所:小伝馬町スクエア6階「シェア会議室セミナールームA」会場

議 題

1.新規会員の紹介

(1)伸栄化学産業株式会社

(2)株式会社エフ・シー・シー

(3)日本液体清澄化技術工業会

2.特別講演(14:30~15:30)

  「最近のMBRの状況について(造水促進センター専務理事 大熊那夫紀)

  「リー・クアンユー水賞」受賞に伴う特別講演

         一般財団法人造水促進センター理事長 山 本 和 夫

 

◇第13回会員会

 

日 時 令和4年12月8日(水)14:00~15:30

場 所 Web上(リモート会議) 

議 題

1.2022(令和4)年度事業経過報告について

2.下・排水再利用ガイドブックの作成調査報告について

3.国内向け技術研修について

4.新規会員の紹介

  ゼオライト株式会社

5.その他                            

(1)第29回造水シンポジウム<低炭素型水処理技術普及促進セミナー>

   ―下水・各種産業排水における低炭素型水処理技術の事例紹介―の開催についてー

(2)ウォータープラザ北九州の活用について

 


2. 技術普及・広報事業

造水技術の普及啓発活動として、会員等にメールニュースとして「造水関連情報」を月に2回配信するとともに、ホームページ等を活用して国内外に広く情報発信を行い、ホームページに会員専用窓口を設置し、海外の造水関連情報を「ZOSUI news」として年4回掲載した。

令和2年に改訂を行ったパンフレット(和文・英文)の更新を行うとともに、ホームページの更新を行った。

また、再生水の工業利用に関する国際標準化のための国内審議委員会活動を通じて、造水技術の普及促進を図った。

 

 

3.その他

経済産業省、国土交通省、環境省、NEDO、JETRO、JICA、JOGMEC等の公募事業については、積極的に提案している。また、外部機関からの依頼による各種調査等も積極的な対応を図り、国内外における水環境の保全に貢献するとともに、収入増を図るよう活動を行った。

 

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