再生水の国際標準化(ISO)

 

1.活動の意義

 地球規模の渇水リスクの高まり、水市場の拡大の中で、水再利用などの分野でより積極的な国際貢献や水ビジネスの推進が求められています。その中で、我が国の優れた再生水関連技術の国際競争力の強化を目的に、関係する国際標準規格を我が国の主導で開発する取組みが官民連携して進められています。また、各国の提案による規格開発活動も活発化しており、水再利用の目的にあった優れた技術の普及が推進されるよう、規格の改善に向けた提案も必要になっています。

2.我が国の活動と造水促進センターの取組み

(1) ISO/TC282「水の再利用」(図1参照)
 専門委員会TC282が,2013年6月にイスラエルを議長,日本と中国を幹事国に設置されました。我が国は、国土交通省下水道部の流域管理官が国内審議団体となり、主導的な立場で規格開発に貢献しています。TC282の中で、我が国は、SC3「リスクと性能評価」に関する規格開発を進めています。
 その中で、造水促進センターは、処理技術の性能を適正に評価するための「再生水処理技術ガイドライン」Part-1 (一般概念)の開発に参加するとともに、システムのGHG(温室効果ガス)排出量に着目したPart-2(環境性能の評価方法)の開発、さらに、システムを構成する膜処理、オゾン処理、紫外線消毒、イオン交換等の技術について、新規開発提案を進めています。
 規格案の具体化にあたっては、性能評価指標や評価方法の妥当性を裏付けるため、北九州ウォータープラザの膜分離活性汚泥法-逆浸透膜(MBR-RO:Reverse Osmosis)設備を用いた再生水のリスク評価の実証データ等も取得しています。さらに、SC4「工業利用」の中で、工場全体や工場間を視野に入れた水再利用システムについて、環境性能も考慮した経済性評価方法に関する規格開発をめざしています。 (これらの活動は、経済産業省、㈱野村総合研究所の支援を受け、京都大学や関連協会・団体の協力を 得て進めています。なお、SC4については、造水促進センターが国内審議団体を務めています。)

(2) ISO/TC224/WG12「水の効率管理」
 TC224「上下水道サービス」に関して、我が国は日本下水道協会と日本水道協会が審議団体となり、開発状況を監視し関係者と情報共有しています。TC224の中で2015年3月、シンガポール提案によるWG12が承認され発足しました。「水効率管理」は、水を利用する組織が、節水により水利用効率を継続的に改善することを求め、単なるガイドラインではなく認証規格をめざしています。
 我が国企業の海外工場等で認証取得が求められ、海外展開への影響も予想される一方で、節水や水再利用を進めるにあたり、我が国企業の優れた技術の市場拡大につながることも期待されます。そのため、造水促進センターとして、国際会議に専門家を派遣し、情報入手・共有するとともに、水再利用に関する記述の追加等を進めてきました。引続き動向を監視し、関係する工業団体等の意見も参考に、我が国としての提案や規格の活用方法を検討していく予定です。

3.造水促進センターにおける、再生水の標準化の実績に関しては、ホームページの「造水技術データベース」を参考にしてください。